口腔外科 /
- Q
- 下唇に水ぶくれができ、つぶれたり、また元に戻ったりを繰り返しています。
- A
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おそらく口唇粘液嚢胞(こうしんねんえきのうほう)と思われます。悪性のものではありませんのでご安心ください。
粘液嚢胞は、小唾液腺から分泌される粘液の流出障害によって生ずる組織内の貯留嚢胞です。多くは、導管の損傷によって粘液が結合組織内に溢出貯留し、嚢飽を形成します。腺管の閉塞により粘液が腺管内に貯留して、嚢胞を形成する場合もあります。
導管の損傷、閉塞の原因として、反復性の慢性外傷や習癖、軽微な慢性炎症が考えられています。
好発部位は、下唇、舌、頬粘膜などに分布する小唾液腺に関連して発生することが多く、下唇のものは下口唇粘液嚢胞と呼ばれ、特に正中と口角の間に多いものです。
症状は、粘膜面から半球状に膨隆する直径5~15㎜のほぼ球状の軟らかい小嚢胞で、無痛性、波動を触れます。
表在性のものは内容液が透視でき、青紫色をしていますが、深在性の場合には 正常な粘膜で被覆されていることもあります。また咬傷による破裂を繰り返したものは、瘢痕により粘膜が白色をしているものもあります。
通常、自然治癒は望めないことが多いので、治療は通常摘出手術が局所麻酔下にて行われます。術後は、創部の安静と習癖(咬唇癖、吸唇癖)などがあればその改善や刺激因子の除去が再発防止には大切です。お近くの口腔外科を受診されることをお勧めいたします。