大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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よくある質問

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むし歯 / 予防歯科 /

Q
虫歯菌は子供に移りますか?
A

ミュータンス菌は、親から感染するといわれています。

誕生前の赤ちゃんの口の中には、もちろん細菌はいません。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、すでに細菌がいくらか検出されるようですが(産道をくぐり抜ける間にもらってしまうらしい)、むし歯の細菌が、口の中に見つかるのは、乳歯が生え始める生後六ヵ月ごろです。

では、このむし歯はどこから赤ちゃんの口の中に感染するのでしょうか。普通、最も密接にふれ合う保育者から感染します。一般的にはお母さんですね。お父さんや保育園の保母さんということもあります。

ところで、むし歯を引き起こすミュータンス菌は、同じ種類でわずかな違いで七タイプに分けられますが、お母さんと子どもの口の中にいるミュータンス菌をそれぞれ調べてみると、ほとんどの場合が同じタイプのものでした。ミュータンス菌は、親から子に感染しているのです。

むし歯菌が親から子に感染するとなると、どうしたらいいのでしょう。むし歯を伝染させないためにスキンシップもスプーンの口移しもやめたというお母さんがいました。しかし、むし歯菌の伝染は防いでも、母子の一番大切なつながりを忘れてしまったのでは、かえって大問題です。この悩みを、次の研究が解決してくれました。

? フィンランドの女性研究者サーダリンさんは、面白い研究をしました。歯科検診に参加した妊婦の口の中細菌レベルを調べて、ミュータンス菌がいっぱいいる妊婦を選びだし、お産が終わって、赤ちゃんが三カ月~二歳の間、お母さんにキシリトールガムを食べさせたのです。そして、子どもの口の中のミュータンス菌を調べました。子どもにはキシリトールガムは食べさせていないのですが、キシリトールガムをかんだグループのお母さんの子どもたちの口の中からは、ミュータンス菌が少ししか見つからなかったのです。ガムをかませるのをやめてからも調査はつづいていますが、やっぱりガムをかんだ母親のグループの子どもたちは、ミュータンス菌が少ないままなのです。

 お母さんの口の中のミュータンス菌を少ないレベルに維持すると、子どもに感染しにくくなるらしいのです。これは、母子の一番大切なつながりが、子どもをむし歯菌から救うことができることを示しています。

この研究より前に母親のミュータンス菌を減らす予防処置をしたところ、何もない子どもたちの口の中の細菌に大きな違いが生じたという実験が報告されています。グラフのように三歳で実験を終了した後も差は開いたままでした。

これはミュータンス菌の代わりに、いわゆる善玉菌が勢力を広げたために、ミュータンス菌が感染しにくくなったものと考えられています。むし歯の数にも当然大きな差が出ました。

キシリトール摂取は良いことです。あとは虫歯にならない、定期的に母子共に歯科医院でチェックを受けることが重要です。

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