大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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よくある質問

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予防歯科 / 歯周病 /

Q
たばこを吸うと歯周病が悪化するのでしょうか?
A

 これは本当です。

 近年、喫煙者の肩身も狭くなり、喫煙もいたるところで制限されています。特に男性は喫煙場所が減ったことやタバコの値上げなどで喫煙率は減少していると言われています。

 日本においても禁煙キャンペーンなどが盛んに行なわれており、タバコの害については皆さんも承知のことと思います。タバコは、百害あって一利なしと言われていますが、タバコの害と生活習慣病とは密接な関わりがあります。なかでも、歯周病の方の喫煙は、最も危険な因子のひとつと言われています。テレビのドラマでも昔は喫煙シーンなんかは良くあったのですが、最近あまり見ません。

 さて本題ですが、一般にタバコを吸う人は、吸わない人に比べ、3倍も歯周病にかかりやすく、また2倍も多く歯を失っているという報告があります。また喫煙本数に比例して歯周病が重症化することも分かっています。さらに、喫煙による不快な口臭、味覚の鈍麻、歯肉の黒色化や歯面の着色など口腔内環境を悪化させます。

 喫煙者の歯周病の特徴として「炎症症状が少ない」ということがあげられます。歯周病はあまり症状が現れないままジワジワと進行することが多いのです。その中でも「歯茎の腫れ」「ブラッシング時の出血」は比較的自分で気づきやすい症状です。

しかし、喫煙者の歯周病ではこれらの症状が現れにくいのです。でも、これは決して歯周病が軽症だということではありません。 

 歯周病になると、歯茎が腫れたり、膿んだりしますが、タバコに含まれている化学物質が喫煙者の歯肉出血を減少させたり、歯肉表面を硬くすることで歯周病の症状が隠されてしまうのです。  つまり喫煙者は自覚症状がほとんどないまま歯周病はどんどん進行し、炎症症状が現れにくいために、自分で歯周病の進行に気づきにくいので歯周組織の破壊が進んでしまいます。そして重度の歯周病に進行するというわけです。

 歯科医院では歯周病の進行に応じて様々な治療が行われていますが、どのような歯周治療に対しても喫煙者では治りが悪いことが報告されています。歯周病は全身の病気と密接な関わりを持っています。

 歯周病になっていなくても、たばこを吸っていると歯周病へのリスクが高くなり、逆に禁煙すると歯周病へのリスクが下がりますので、歯周病を予防するためにも禁煙することをオススメします。

 あと、重要なのは受動喫煙の問題です。受動喫煙というのは本人がたばこを吸う意志がないのに、周りが吸っていて犠牲になる問題です。もともと、がんのリスクなどが上がるということは知られているのですが、「男性はたばこを吸わなくても受動喫煙によって歯周病になるリスクが3倍以上高まる」という報告が東京医科歯科大学からありました。お子さん、配偶者などおられる方は特に受動喫煙の意味を一度考えていただく必要があると思います。

お口の健康も害するタバコ、この際真剣に喫煙習慣を見直して見ませんか?