2014.03.20
海外の医療保険事情と歯科診療の値段(アメリカ編①)
1年前の平成25年3月に、日本はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉に
参加すると表明しましたが、ニュースで伝え聞くところによると現在、大詰めの交渉
作業にあたっているようです。
医療分野も、その制度および医療保険に関して議題にあがっているようですが、
海外特にアメリカの医療保険はどのようなものか? ちょっとご紹介したいと思い
ます。
その前に日本の医療保険制度はどのようなものかおさらいすると、、、
日本では、国民皆保険制度をとっており、国民全員に加入義務があります。
年齢ごとに下記のような自己負担額が設定されています。
・義務教育就学後~69歳まで 3割負担
・義務教育就学前 2割負担(※)
・70歳~74歳 2割負担
・75歳以上 1割負担
(※)特例措置で現在1割負担に据え置き中
さらに、上記の公的医療保険に加え、民間医療保険があり、多くの人が加入しています。
次にアメリカですが、
医療保険に加入する義務がなく,国民皆保険制度ではありません。
多くの国民は民間の医療保険に加入していますが、その割合は67%程度です。
国民皆保険制度ではないといっても、公的医療保険がないわけではなく、一応
あります。ただし、その対象は65歳以上の国民,障害者,貧困層,軍勤務者だけ
となります。
結果的に貧しくはあるが,貧困層には入らない低所得者層を中心に非保険加入者が,
全米で5067万人おり,これが大きな社会問題となっています.
日本では、保険診療である限り医療費は全国で均一、すなわち国が価格を統制し、
かなり抑えられていますが、アメリカは市場原理が導入されており、価格は言い値
です。
その結果、盲腸の治療などでも、手術台+入院費で通常100万円を超える価格を
しており、非保険加入者等で支払い能力がないと見なされると受診拒否されることが
あるそうです。
アメリカの医療保険制度の問題は、世界的に有名で、オバマ大統領もいわゆる
「オバマケア」で新システムを構築しようとしていますが、共和党の反対でなかなか
先に進まないようです。
TPPでは、日本としては国民医療保険システムを是非とも守るべきだと思いますが、
いかがでしょうか。