大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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よくある質問

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むし歯 / 予防歯科 /

Q
虫歯の菌が脳出血のリスクを高めると新聞にありましたが本当ですか?
A

先週新聞で載っておりましたね。

日本経済新聞より

【大阪大や浜松医科大研究チームらは、虫歯菌に脳出血を促すタイプが存在することを突き止めた。保菌者の脳出血の発症リスクは、そうでない人の4~5倍という。論文が英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に28日掲載された。

 脳出血患者の血液から虫歯菌といわれる「う蝕(しょく)病原菌」の特殊な種類を発見した。血管の内壁が傷つくとそこに結合するたんぱく質を作る性質があり、傷を治りにくくする。

 日本人の約8%が保有する菌だが、脳出血の患者を調べると約3割がこの菌を持っていた。患者から採取した菌をマウスに投与すると脳に出血がみられた。脳出血したマウスに投与すると脳の出血面積は5~6倍に広がった。】

 この結果をわかりやすく説明すると虫歯菌であるミュータンス菌は日本人の70%が保菌し、この特殊な菌は日本人の8%保菌されており、脳出血を起こす人には30%保菌していたということです。この特殊な菌を保菌している人は脳出血のリスクが4倍になるということです。

 ネイチャーシリーズは研究領域ではトップの雑誌ですので、いわゆる学会で発表したというものとはだいぶ趣が異なります。それだけ信用できる結果という可能性が高いです。口の中には主に虫歯菌と歯周病菌が存在します。これまで歯周病菌が心臓病などに悪影響することは知られていましたが、虫歯菌の報告はほとんどありませんでした。この研究は画期的なものだと思います。以前にも書きましたが虫歯菌は口移しなどでうつりますので注意が必要です。研究チームは企業と協力し、簡易検査キットを開発中ということですので今後の成果が期待できます。