口腔外科 /
- Q
- 上下歯牙接触癖(TCH)をご存じですか?
- A
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最近当院の患者さまにもこのような方が多いので説明いたします。
上下歯牙接触癖とは英語ではTCH(Tooth contacting habit)と呼ばれており、上下の歯を文字通り接触させてしまう状態です。この癖のある方は知らず知らずの間に顎の筋肉に負担をかけ、顎関節症や肩こり、頭痛の原因になったりするなど、様々な体調不良に発展する可能性があります。実は顎関節症の約8割にTCHが見られるというデータもあります。
口を閉じているとき、通常上下の歯は、接触したりかみ合ったりすることはありません。食事や会話の時を含めても、上下の歯が接触しているのは1日でせいぜい20分程度と言われています。しかし、TCHの方は「上下の歯がくっついて当たり前だと思っていた」という人も少なくありません。
また、リラックスしている時は接触してなくても、テレビを見たり、パソコンでの作業、運転、スポーツの最中など、何かに熱中しているとき、またはストレスを感じているときに接触していることが多い様です。
くいしばりとの違いですが、くいしばりは強い力で歯をかみしめるため、顎の筋肉の疲労が大きく、長時間やっていることはできません。その一方でTCHは無意識で歯を接触させかみ合わせてしまっているため、咬む力は弱いですが、継続されることにより、顎に大きな負担を与えてしまいます。