大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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よくある質問

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口腔外科 /

Q
3年前に舌がんで放射線治療を行いました。舌がんの方は経過が良いのですが、右下の奥歯がよく腫れるので近くの歯医者に行ったら治療することができないといわれました。どうしたら良いのでしょうか?
A

 大変ですね。しかし、歯を抜かれたりされないで本当に良かったです。これは放射線性骨髄炎の可能性があります。今の状態でこのようなことを知らずに歯を抜いて、放射線性骨壊死になって顎の骨を切断してしまった方を何人も診てきました。放射線性骨髄炎は、口腔領域悪性腫瘍に対する放射線治療が行われた後に発生することのある顎骨骨髄炎です。口腔領域というのは舌、歯肉、頬粘膜、顎骨といった領域だけではなく副鼻腔、咽頭、頚部リンパ節も含みます。

 原因は、顎骨への放射線照射と細菌感染であるといわれています。感染経路としては、歯周病や、虫歯による根尖性歯周炎からの続発、抜歯後の感染などが考えられます。放射線治療後に起こる口腔乾燥、虫歯、歯周病などの発生に注意を払うように口の中の清浄に極力努めることが必要です。

 放射線治療後の口腔は傷の治りが悪く、放射線性骨壊死を起こしやすいといわれています。顎骨切除などの処置が必要となることもまれではありません。腐骨除去や顎骨内の肉芽組織などの外科療法で治癒することがもありますが、高圧酸素療法を行いながら、抗菌剤、抗炎症剤の投与により急性症状の改善をはかり、薬物だけで消炎しないときや、慢性期には、外科的治療として病巣の一部除去や血行の改善をはかることにより、外科的消炎や病変の改善をはかります。また、このような歯を抜歯しなければならないときは高圧酸素療法を併用して行うこともあります。口腔外科専門の先生とよくご相談されることをお勧めいたします。