大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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よくある質問

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その他 / 口腔外科 /

Q
夫が睡眠中歯ぎしりをします。ものすごい音です。歯が壊れたりしないのでしょうか。
A

 

 睡眠時の歯ぎしりは、大きく2つに分類されます。上下の歯を横方向に擦り合わせてギリギリと音を出すタイプ(グラインディング)と、音はしないが歯と歯を強くかみしめるタイプ(クレンチング)です。どちらも主に睡眠が浅くなる時に発生するといわれており、歯ぎしりの際に出る力は、日中強くかむ際の十数倍にも達する。そんな大きな力が1時間で4~5回、長いときには一晩で計40分近くも口の中で発生している例もあります。クレンチングタイプは音が鳴らないので、周りの人にもわかりにくく注意を要します。

 歯ぎしりを放置しておくと圧力で歯がすり減って歯を支える組織にも影響が及び、歯周病などが発症したり悪化したりすることやインプラントやかぶせた物が破損する人もおられます。

 また、あごの疲れや痛みといった顎関節症、肩こり、頭痛なども引き起こす場合もあります。原因は今のところ解明されておらず、複数の要因が組み合わさって歯ぎしりを誘発している可能性が高いとみられています。もう1つの要因は仕事や日常生活で不安や過度のストレスを抱え込むことです。飲酒や喫煙、特定の抗うつ剤で引き起こされるケースもあります。

 治療法は歯ぎしりを完全に治すのは難しく、症状軽減が治療の目標となります。具体的にはナイトガードという透明な樹脂でできた専用器具を使用します。睡眠時に装着し、歯にかかる圧力を和らげ摩耗を抑えます。この治療には健康保険が適用され、5000円程度で自分の歯の形状に合わせた装置を作ることができます。 

 また、睡眠中の歯ぎしりと同じように仕事や運転など集中している時に、歯をかみしめる癖がある方もおられます。その場合は、かみしめを減らすよう心がければ、歯ぎしりの軽減につながります。

 歯ぎしりは自分が気付くことが最も大切です。(1)歯がすり減っている(2)詰め物がよく外れる(3)朝起きると顎が痛い、こわばる(4)歯がしみる(5)頬の内側や舌のまわりに歯の跡がついているといった症状があれば、受診されるのが良いかと思います。

 当院でも、(5)の頬や舌の回りに歯の跡がつくということで受診される方もおられます。歯ぎしり、噛みしめの原因であると驚かれます。