大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

新型コロナウイルスは口の中でも特に舌に多く存在すると言われています。ポピドンヨード液は殺菌効果は高く、口の中のウイルスも減少することは期待できるでしょう。また、安価で、長期にわたって使われている消毒薬なので、安全性があるというのもよいところです。

しかしコロナウイルス対策として毎日使用すると健康に害を及ぼす可能性があります。

具体的には

(1)口の中の良い菌まで殺してしまう。
口の中には300種類以上の細菌が存在しています。その中には「常在菌」といって、悪い菌が入ってきたときに退治をしてくれる良い菌も多数存在しています。ポピドンヨード液を普段から使いすぎると、良い菌まで死滅してしまい、口の中の免疫機能が落ちる可能性があります。

(2)歯が溶ける（酸蝕症）
意外と知られていませんが、ポピドンヨード（イソジン）はコーラ並みの強い酸性です。過剰な使用により歯が溶けてしまいます。

(3)甲状腺機能が低下する
ヨードは甲状腺と深いかかわりがあり、過度な使用は甲状腺の機能に影響を及ぼす危険性があります。そのため、甲状腺疾患の方は使用できません。

また、ヨード・アレルギーが多いということ、妊婦・授乳中の方も使用は注意ということもあります。

新型コロナウイルスの感染経路は主に飛沫感染と接触感染です。という事は感染予防は飛沫の元、口の中を清潔にする「口腔ケア」が大切なのは当然ですね。口腔ケアで口の中の細菌が減少するとインフルエンザウイルスの感染率が減少することが知られています。新型コロナウイルスも同様と考えられます。

又、新型コロナウイルスは口の中でも特に舌に多く存在すると言われています。歯磨きなど通常の口腔ケアに加え、舌磨きも加えるとよいかと思います。

新型コロナウイルスの感染予防には残念ながら、ポピドンヨード液を含めて予防薬はまだありません。手洗い、うがいを含めた口腔ケア、マスク着用が重要ではないでしょうか。