大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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Q
お口ポカン注意です。約31%の小児が口腔機能閉鎖症の疑いです。
A
  • 口唇閉鎖不全症(こうしんへいさふぜんしょう)とは

    日常的に口が開いている「お口ぽかん」の状態を、口唇閉鎖不全症といいます。

    小児は見た目の悪さから保護者からの指摘で「お口ぽかん」の状態に気付くことがあるものの、大人は気付いていないことが多くあります。口唇閉鎖不全症の患者数はかなり多くいるとされ、全国の3~12歳の小児3534人を対象におこなった大規模調査では、31%の小児に口唇閉鎖不全症が疑われました。

    口唇閉鎖不全症は、食べる、話すなどの口の機能が十分に発達していない病気である「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」の症状の一つとなっています。

    口唇閉鎖不全症の原因

    口唇閉鎖不全症の原因としては、口の筋肉が弱いことが多く、その他に歯並びの悪さ、舌のくせや形態、鼻の病気、肥満などがあります。

    口唇閉鎖不全症の症状

    口唇閉鎖不全症は口呼吸をしていることが多く、口呼吸は虫歯、歯周病、風邪、インフルエンザ、アレルギー、歯列不正、睡眠時無呼吸症候群など、様々な悪影響を及ぼします。成人の頭部顔面の6割が4歳までに、9割が12歳までに完成するとされるため、小児期の改善、治療が大切となります。(下の写真、株式会社松風の資料から引用しました。)

    1)口腔乾燥症、扁桃肥大
    口が開いていると口内は乾燥し、口腔乾燥症(ドライマウス)を引きおこします。また、のども乾燥して、扁桃肥大をおこします。扁桃肥大は、アレルギーや睡眠時無呼吸症候群の原因となります。

    2)虫歯、歯周病
    口内が乾燥すると唾液の抗菌の繁殖を抑える作用、食べかすを洗い流す作用が得られなくなります。その結果、細菌は繁殖、口内は汚れやすくなり、虫歯や歯周病になりやすくなります。

    3)風邪、インフルエンザ
    鼻呼吸は空気中の病原菌をろ過して、温かく湿った状態で肺に送ります。口呼吸は病原菌が直接肺に入れてしまうほか、冷たく乾燥した空気が肺に入るため、風邪を引いたり、インフルエンザに感染しやすくなります。

    4)歯列不正
    口呼吸では鼻呼吸では使用しない筋肉が使用されます。下あごや舌が後ろに引っ張られ(下顎後退、低舌位)、上あごの成長発育が悪くなることがあります。下顎後退、低舌位は、睡眠時無呼吸症候群の原因となります。

    5)いびき、睡眠時無呼吸症候群
    口が開いたままで寝ると気道は狭くなり、いびきをかくやすくなったり、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。睡眠時無呼吸症候群は糖尿病、高血圧、心臓病など、様々な病気との関連があります。また、睡眠の質を低下させ、日中の集中力の低下を招きます。

    口唇閉鎖不全症の検査

    日本小児歯科学会と歯科企業である株式会社松風が共同開発した測定器を使用して、口を閉じる力を測定します。口を閉じる力が弱いときは、治療(トレーニング)によって口の閉じる力を向上させていきます。

    検査

    2020年4月の診療報酬改定により、口唇閉鎖力検査が健康保険適応になりました当院でも検査をおこなっていますので、お気軽にお問い合わせください。検査はとても簡単です約2分程度。

    口唇閉鎖不全症の治療

    口唇閉鎖不全症の治療(トレーニング)は、歯科医院で指導を受けながら進めていきます。口唇の運動(口唇を突き出す、口角を引く「イーウー」、口唇を閉じる)、ストローなど(ポカンエックス)を唇で挟んで保持する。専用の訓練器具の使用(りっぷるとれーなー。下の写真)があります。