大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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よくある質問

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予防歯科 /

Q
人間ドックで肥満と指摘されました。知り合いに肥満は歯周病を悪化させると聞きました。本当ですか?
A

これは最近の報告からすると本当だと思います。

1998年に福岡県で行われた調査では肥満指数(BMI)が高いほど歯周病の有病率が高いという結果が出ました。その後、世界中で同じような調査が行われ、多くの報告で「肥満があると歯周病の発症率が明らかに高い」という結論が得られています。

その鍵となるのが、肥満細胞です。過度の脂肪蓄積により細胞が肥大化し、バランスが崩れると炎症を増進させる「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質が脂肪細胞から多量に放出されることが知られています。これらのサイトカインは歯周病で歯を支える骨が溶けている部分の骨の吸収を進めてしまいます。

それどころか、私がかつて在籍していた京都大学の口腔外科の報告では重い歯周病を患う人ほど、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になる確率の高いことが、滋賀県長浜市民約6000人に対する調査でわかった。ということです。基礎的な研究では歯周病菌が産出する毒素をマウスの皮下に埋め込むと、肝臓に脂肪がたまり、体重が増えることが報告されています。

また、メタボリックシンドロームの該当項目が多いほど歯周ポケットが深く、特に女性では歯周病が悪化する確率が健康な人に比べて6倍も高くなっています。逆に歯周病患者さんはメタボリックシンドロームの基準に達する確率が約2倍ほど高くなることが報告されています。

つまり歯周病とメタボリックシンドロームのどちらかがあると、もう一方も悪化する確率が高くなるのです

メタボに心当たりのある人は、歯周病のチェックを。すでに歯周病を治療中の人は、まめな定期クリーニングをお勧めします。