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よくある質問

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むし歯 / 予防歯科 / 歯周病 /

Q
口の中のケアはとても重要です。その2。
A

前回の記事の続きです。

政府は先日行われた経済財政諮問会議において、「経済財政運営と改革の基本方針2019」の素案を示しました。

これは、いわゆる骨太の方針と呼ばれ、毎年、経済財政諮問会議を経て閣議決定されているものです。

日本の経済と財政を再建するための基本的な方向性を示すもので、その主要分野の一つに医療を含む社会保障が入っています。

2017年は国が口腔と全身との関係性を認め、歯科検診・口腔ケアの充実を推進すると意思表明したことで大きな話題となり、前回記載した続く2018年においては、医科歯科連携の重要性が盛り込まれました。 

今年度の骨太の方針2019では、昨年、一昨年からさらに進み、多数の文言が追加されました。
口腔の健康と全身の健康の関連性について、昨今では国内外から多数の研究・論文発表がなされています。今回の骨太の方針では、それらを蓄積し国策に反映することや国民理解の重要性が謳われています。つまり、その様な重要性を皆さんが知って欲しいと言うことです。

また、フレイル対策(口腔機能低下)を目的とした口腔機能管理においては、その主体が歯科医師や歯科衛生士であるとし、職名自体が骨太の方針に盛り込まれました。さらに、入院患者への口腔衛生管理も医科単独ではなく医科歯科連携が必要であり、「他職種と連携した歯科保健医療提供体制の構築」とあるように、歯科医療の提供体制自体を従来の形から変えていくという方針が示されたというものです。

 

骨太の方針 3年間の変遷

歯科保健医療において、大きな舵取りが行われた2017年以降の骨太の方針を以下にまとめたので、ご覧になってください。

 

2017年

口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む。

 

2018年

口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者をはじめとする国民に対する口腔機能管理の推進、地域における医科歯科連携の構築など歯科保健医療の充実に取り組む。

 

2019年

口腔の健康は全身の健康にもつながることからエビデンスを蓄積しつつ、国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診、フレイル対策にもつながる歯科医師、歯科衛生士による口腔機能管理など歯科口腔保健充実、入院患者への口腔衛生管理などの医科歯科連携に加え、介護、障害福祉関係機関との連携を含む歯科保健医療提供体制の構築に取り組む。

この流れは一時的なものではなく、中長期的な歯科医療の方向性であると言えます。つまり口腔(口の中の)管理は体の色々な病気を予防することに結びついています。


本素案は6月中にも正式に閣議決定される見通しです。

 

参考資料

令和元年第3回経済財政諮問会議(内閣府)