その他 /
- Q
- iPS細胞は歯科では研究されていないのですか?
- A
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結論から言うと現在行われております。
ご存じかもしれませんが、iPS細胞を使った治療(臨床研究という位置づけですが)は2014年に加齢黄斑変性症という眼の病気で行われました。その他パーキンソン病の治療、脊髄損傷の治療などざまざまな治療目的のために研究が行われています。
今まで述べた組織再生だけではありません。病気のモデルを作ってそれに効果のある薬を開発するというのも重要な特徴です。わかりやすく説明するとある難病の患者さんから採取した組織からiPS細胞を作って、その細胞を用いて効果のあるもの(治るようなもの)を見つけていく方法です。
歯科の領域においては、歯ぐきを数mm四方のわずかな範囲で採取し、そこからiPS細胞を作製して、骨や軟骨等の細胞を作製したり、歯の元になるエナメル質や象牙質を作る細胞が作製されたりしています。
実現化については、安全性の問題などがあり、まだもう少し先の話になると思います。これまでも歯を再製する研究はずっと行われていますが、歯はエナメル質、象牙質など色々なパーツから出来ていること、必要な位置に歯をはえさせるのが極めて難しいこと、入れ歯やインプラントという確立した治療があることから、それ以上という物になるとかなり難しい事だと思います。
しかし、この様な研究は流れにしっかり追いついていく必要があるので、歯科の研究者の方も頑張って欲しいと思います。