大津京おおくぼ歯科医院では「歯」に関する様々な情報・ご質問を随時更新しております。

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よくある質問

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口腔外科 /

Q
現在骨粗鬆症でビスフォスフォネート製剤を内服しています。ビスフォスフォネートはあごの骨に悪い影響を受けると聞きました。しかし、歯が折れてしまい抜歯は必要なのですが、どうすれば良いでしょうか?
A

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)のことを気にしておられると思います。

骨粗鬆症でビスフォスフォネート(BP)製剤を服用中の方が、抜歯などの侵襲的歯科治療を行った後に、顎骨壊死を引き起こすことが稀にあります。最近の見解では、経口BP製剤投与中の患者に対しては、抜歯などの侵襲的歯科治療を行うことについて、投与期間が3年未満で、他にリスクファクターがない場合はBP製剤の休薬は原則として不要であり、口腔清掃後侵襲的歯科治療を行っても差し支えないと考えられています。投与期間が3年以上、あるいは3年未満でもステロイド投与などのリスクファクターがある場合には判断が難しく、処方医と歯科医で主疾患の状況と侵襲的歯科治療の必要性を踏まえた対応を検討する必要があります。

 一般的にBP製剤の休薬が可能な場合、その期間が長いほどビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)の発生頻度は低くなるとの報告があります。骨のリモデリングの期間を考慮すると休薬期間は少なくとも3ヶ月が望ましいとされています。抜歯などの侵襲的歯科治療後のBP製剤の投与再開までの期間は、術創が再生粘膜上皮で完全に覆われる2~3週間後、または十分な骨性治癒が期待できる2~3ヶ月後が目安であろうと考えられています。主治医の先生とよくご相談の上、治療を進められることをお勧めいたします。BRONJ発症の予防については、完全に予防することは、不可能ですが、その発症を減少させることは可能と思われます。具体的には、口腔清掃を徹底するとともにプラークや歯石の除去など専門的な口腔ケアと、う蝕の治療です。また、栄養管理も重要で、低栄養にならないようにする必要があります。発症には、口腔細菌が関与しているため、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用し歯垢を取り除く、うがいの励行も効果があるでしょう。